
ミニカーは劣化する?経年劣化と対策5選
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ミニカーを箱から出したら劣化していた、、、なんて経験はありませんか?実はミニカーの塗装、デカール、タイヤ等が劣化するケースがあるんです。今回は大切なミニカーを長く綺麗に保管できるように、ミニカーの劣化と対策についてご紹介いたします。
塗装の劣化

原因
ダイキャストモデルで起こりやすい現象。
湿気により下地に付着していたホコリなどの微細なゴミが膨張し塗装面が膨らみます。
また、製造上の不備により塗装面がボツボツとした梨地になる場合も。

製造時、下地が完全に乾燥する前に塗料を乗せたことにより、徐々に揮発前のガスが気泡となって現れます。
後者の場合は保管状況関係なく数年で現れます。
主にミニカー最盛期であった2000年代中旬までのモデルに多い印象です。

なお、塗装のボツボツは写真には写りにくく、肉眼でも明るい室内で照明を当てながらでないと見つけにくいです。
この頃は定価も安く、大量生産第一でしたのである程度仕方がないかもしれません。
近年のモデルでは定価も上がり、少数生産のプレミアム路線となっているため塗装の劣化は起こりにくくなっております。
対策

保管の際は極力湿気、直射日光を避けることを推奨致します。症状が軽い場合は綿棒などに仕上げ目(8000番程度)のコンパウンドを付けて研ぐと多少目立たなくなります。
実車と比較し塗料はかなり薄いので、必ず模型用と記載のあるものを使用してください。
追い込みすぎるとすぐに下地が出てしまいます。
目安としては綿棒に塗装が付着しだしたらやめておくのが無難です。

思ったよりもすぐに綿棒に色がつくので慎重に磨いてください。
博物館に展示してある往年のレースカーなどもよく見ると塗装はなかなか荒れています。
ある程度で妥協することも大切です。
デカールの剥がれや割れ

正直飾っていれば塗装のヒビはわかりません。手にとって目を凝らして顔を近づけるとハッキリわかるレベルです。
原因
レーシングカーに沢山印刷されているスポンサーロゴ。
これはタンポ印刷か水転写デカールによって再現されています。
タンポ印刷の場合、塗料に乗せたあと一緒に焼き付けされておりますので特に問題は起こりません。

ボンネットのSTPマークはタンポ印刷なので割れていません。
しかし、水転写デカールの場合は注意が必要です。
直射日光、極度の乾燥により剥がれ、割れが発生致します。
対策

保湿して乾燥させないようにしてください。
乾燥する冬場はコレクションケースに水を入れたペットボトルのキャップなどを置き、湿度を50〜55%程度に調整してください。
また、多少の剥がれであればマークセッターでリカバーできます。
欠けや割れが小さい場合はエナメル塗料でタッチアップすればほとんど目立たなくなります。
有名な企業のスポンサーロゴであればプラモデル用の社外デカールから流用できる場合もあります。
レジン収縮による窓浮き

ウィンドウのリア部分が浮いてしまったレジンモデルのレガシーB4
原因
ダイキャストモデルよりも保管に気をつけなければいけないレジンモデル。
レジンという素材は合成樹脂、つまり硬度の高いゴムともいえます。
実車のタイヤが生物であるようにレジンも同じ性質です。

直射日光、極度の乾燥により収縮し、ひどい場合は割れてしまうことも。
収縮といっても、目に見えてわかるほど小さくなるということはございませんが、ボディが歪むことによりモールやウインドウなどのパーツが浮き上がってしまいます。
対策
ボディ自体が収縮してしまっているので、そのまま貼り付けてもシワが寄ってしまいます。
完璧に補修するとなると一度パーツ外し接着剤を除去、位置決め、貼り付けとなります。
かなり難しい作業となりますので、相当腕に覚えのある方でないと難しいです。
とにかくダイキャスト以上に保管状況には気をつける必要があります。
タイヤの潰れやサスペンションの折れ

綺麗な状態のタイヤ。
原因
車重によりタイヤの変形、トレッドの潰れ、サスペンションの折れが発生してしまう場合があります。
展示の際はもちろん、箱に入った状態でもメーカーによっては車体の取り付けがきつく、経年劣化によりサスペンションが曲がってしまうこともあります。
また、展示台がプラ素材ですとタイヤとの化学反応で溶けてしまうことも。
対策
シャシーの下にアクリルプレートなどを敷き、若干タイヤを浮かせることをオススメします。
車重が比較的に軽いモデルでもトレッドの潰れは起こり得るので、半年に1回はタイヤの設置面を変えるようにしてください。
展示台はガラスや木製が推奨です。
また、1/43スケールに多いプラ台座は車体を留めているネジにワッシャーを噛ませ、車体を若干浮かせることがコレクターの間では半ば常識となっています。
未開封のまま保管しておくと…
ここまで読んで頂くと未開封のまま保管しておくのがベストのように感じる方も多くおられると思います。
1/43スケールに多く見られるケースに入ったパッケージであればその通りですが、1/18スケールのような外側からは見えないスチロール材に入ってる場合はその限りではございません。
発泡スチロールから発生する微弱なガスがタイヤや塗装に悪影響を及ぼします。
稀にデッドストックとして売られている未開封を空けてみると、意外にも痛んでいるということが多く見られますね。
定期的にパッケージから出し空気の入れ替えをすることが好ましいですが、箱のまま保管しておくと、持っていることを忘れてしまい何年もそのままという事にも。
直射日光の当たらず、湿度が高くなく、ある程度空気の循環する環境で展示したいですね。
もちろん各ご家庭の事情がありますので、理想的な環境にはならないかもしれませんが、倉庫に未開封のまま置いておくよりかは幾分かマシです。
それにせっかく買ったミニカーなのですから、定期的に見て楽しめるのが私としてはベストだと考えます。