本ページではダイキャストやレジン等、ミニカーの材質による違い、特徴を解説いたします。材質ごとに優れている点、注意すべき点をご紹介いたしますので、ぜひ最後までご覧ください。
ダイキャストモデル (diecast model)
金属の型にダイキャスト(亜鉛合金)を流し込み、高圧をかけ成形されます。
ずっしりとした重量感、触るとひんやりとしており、実車に触れた感覚を思い起こさせます。
比較的丈夫なので実際に手に取り、眺めるのに適しています。
特にフルギミックダイキャストモデルはエンジンや下回りを直に観察することができ、実車の構造を楽しめます。
反面、細かな造形には適していません。
モールドのエッジが立っていない、ドアとパネルの隙間が目立つと言った弊害があります。
旧車ではあまり問題ありませんが、近年のハイパーカーは線が細いため隙間があると目立ってしまいます。
近年のモデルでは製法が見直され、レジンモデルに迫るチリ合わせを実現しているものもあります。
また、CMCなどのハイエンドモデルはアルミパネルを使う事でチリ合わせを極力目立たないようにしています。
経年劣化には比較的に強いですが、金属製のため湿度により地金がサビてしまい塗装膜が膨れ上がったり、ボディが梨地になってしまうことがあります。
湿度が高くなく、直射日光が当たらないところに展示してください。
レジンモデル (resin model)
ゴム型にレジン(合成樹脂)を流し込み成形されます。
材質が柔らかいため、型の隅々まで行き渡り細かな造形を実現します。
エッジやボディラインがスッキリとしますし、塗料も金属より乗りやすいので見栄えだけならダイキャストを上回ります。
反面、非常に繊細な素材ですので手にとって楽しむといったことは出来ず、眺めるだけのものになります。
ギミックもないので、当然ながらエンジンや足回りなどは再現されておりません。
アクリルケースや台座が付属しますので、ダイキャストよりも定価が高くなることが多いです。
近年ではケースの付属しない低価格なレジンモデルも増えています。
環境の変化には非常に敏感で、湿度や直射日光によりレジンが収縮してしまいます。
ボディが収縮してしまうと、窓などのレジンではないパーツが浮き上がってしまいます。
補修は容易ではないので、ダイキャスト以上に保管、展示には十分に注意する必要があります。
複数の素材を用いたモデル
コンポジットダイキャストモデル
近年ではダイキャストの代表的なメーカーであったオートアートが「コンポジットダイキャストモデル」という独自の製法を取り入れました。
ボディをプラモデルにも使われるABS樹脂にし、ダイキャストでネックとなっていた細かな造形ができないという問題点を解消。
一方、レジンモデルで問題となっていた重量感を、インナーボディにダイキャストを挟むことで解決しました。
もちろん純粋なダイキャストモデルと比較するとまだ軽く、実際に手に持ってみると違和感を覚えるコレクターもいらっしゃいます。
しかし、軽いということは、従来のダイキャストモデルと比較してタイヤや足回りにかかる負担が少ないため、経年劣化に強いと予想できます。
今後の技術発展に注目のモデルです。
マルチマテリアルモデル
あまり多くはないですが、「マルチマテリアルモデル」と表記されているモデルもあります。
ボディは樹脂と金属が組み合わされたモデルであることを意味します。
基本的にボディはレジンやABSなどが採用され、サスペンションやエンジンは金属というパターンが多いです。
マイナーな車種のため、ダイキャストの金型を作ることができないがエンジンは再現したいモデルに用いられます。
生産数が少なく、希少性の高いモデルになります。
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